営業職とはどんな仕事?種類・役割・必要スキルや未経験でも活躍できるポイント

営業職はどの業界にも存在し、企業の売上を支える重要な役割を担っています。しかし、「営業って大変そう」「ノルマがきつい仕事」というネガティブなイメージも少なくありません。
この記事では、営業の基本的な仕事内容から、具体的な種類や役割、求められるスキル、未経験でも活躍できるコツまでを詳しく解説します。営業職のリアルを知り、自分に合った働き方を見つけましょう。
営業とは?その役割と目的
営業とは、自社の商品やサービスを顧客に提案・販売し、売上を生み出す仕事です。企業の収益を支える“フロントライン”の職種であり、どんな業界においても欠かせない存在と言えるでしょう。
しかし、営業の本質は単に商品を売ることではありません。顧客が抱える課題やニーズを的確に把握し、それを解決する手段として自社のサービスを提案する、つまり「課題解決型のコミュニケーション」が営業の本質です。
単なる“売り手”というより、顧客にとって信頼できる“相談相手”であり、会社にとっては顧客の声を吸い上げる“アンテナ役”でもあります。
売上だけじゃない営業の役割
営業職の役割は多岐にわたり、「契約を取る」「売上を伸ばす」だけではありません。以下のようなさまざまな活動を通じて、企業全体の価値創出に貢献しています。
■ 新規顧客の開拓
自社の製品やサービスをまだ利用していない企業や個人にアプローチし、新たな取引関係を築く活動です。テレアポや展示会、Webからの問い合わせ対応など、さまざまな手段を用いて見込み客を発掘し、商談へとつなげます。
目的: 顧客基盤の拡大と売上の成長
■ 既存顧客との関係維持・拡大
一度契約した顧客との関係を継続し、リピート購入や追加契約(アップセル・クロスセル)を促進します。また、顧客満足度を高めることで、紹介やクチコミといった新たな接点につながるケースもあります。
目的: 安定収益の確保と顧客LTV(生涯価値)の最大化
■ 顧客ニーズのヒアリングと商品提案
顧客の課題やニーズを丁寧にヒアリングし、それに応じた最適なサービスを提案する能力が営業の要です。表面的なニーズだけでなく、顧客自身が気づいていない“潜在ニーズ”を引き出せるかが成果の分かれ目となります。
目的: 高い提案精度と納得感のある商談形成
■ 契約・受注処理、納品管理
商談が成立したら、契約書の作成や見積提出、納品スケジュールの調整、社内との連携など、事務的な対応も欠かせません。営業が調整役として動くことで、社内の他部署(製造・開発・物流など)とのスムーズな連携が実現します。
目的: 顧客満足を損なわないスムーズな業務遂行
■ 顧客満足度の向上
営業の仕事は“売って終わり”ではありません。導入後のフォローやトラブル対応を通じて、顧客の信頼を深め、継続的な関係を構築していくことも重要です。顧客に「またお願いしたい」と思ってもらえるかどうかは、ここで決まります。
目的: 長期的な信頼関係の構築と離脱防止
■ 市場情報の収集・社内共有
営業は現場にもっとも近い存在として、顧客の声・競合動向・市場トレンドなどの“リアルな情報”を直接キャッチできます。これを社内にフィードバックすることで、製品開発やマーケティング施策にも貢献できます。
目的: 経営・商品戦略へのインサイト提供
営業は“企業と顧客をつなぐ翻訳者”
営業は単なる「売る人」ではなく、顧客の課題を自社のソリューションに“翻訳”し、企業の価値を伝えるコミュニケーターです。そして現場の温度感やニーズを社内に持ち帰り、全社的な改善につなげていく架け橋でもあります。
だからこそ営業には、「傾聴力」「提案力」「調整力」など、総合的な人間力が問われるのです。
営業の主な種類と仕事内容
営業と一口にいっても、仕事内容は多岐にわたります。以下では代表的な営業職の種類をご紹介します。
1. 法人営業(BtoB営業)
企業や団体を相手にする営業です。単価が高く、長期的な取引になることが多いため、信頼関係の構築や提案力が求められます。
- ITソリューション営業
- 建設資材の営業
- 人材派遣・求人広告の営業
BtoB営業ってどんな仕事? 魅力から大変な部分までまるごと解説 | PORTキャリア
2. 個人営業(BtoC営業)
一般消費者を対象にした営業です。スピード感が求められ、対面での接客力や商品説明力が重要になります。
- 不動産営業(賃貸・売買)
- 保険営業
- 訪問販売・店舗営業
BtoC営業とは?きついと言われる理由、向いている人、成功させるコツ4選を紹介 | ACES Meet | 商談議事録の文字起こし・自動要約・解析AIツール
3. ルート営業
既存の顧客に対して、定期的に訪問・提案を行うスタイルです。新規開拓よりも関係性の維持・深耕がメインです。
- 飲食店への食品納品営業
- 医療機器の保守営業
- 企業への備品補充・追加提案
ルート営業とは?仕事内容や新規営業との違いについて解説します|求人・転職エージェントはマイナビエージェント
4. インサイドセールス(内勤営業)
電話やメール、Web会議など非対面で商談を進める営業。デジタル化が進む中、急速に注目されています。
- SaaS企業のリード対応
- コールセンターでの法人対応
- CRMツール活用による商談化
内勤営業とは?仕事内容やきついといわれる理由を解説!平均年収も紹介
5.カスタマーサクセス・セールスエンジニアなど
近年では営業に近い新しい職種も登場しています。
- カスタマーサクセス:導入後の活用支援
- セールスエンジニア:技術提案を含む営業支援
- フィールドセールス:インサイドセールスから引き継いだ顧客との商談
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セールスエンジニアの仕事内容とは?営業職との違い・将来性・求められるスキルについて | Engineer Labo エンジニアラボ
営業職に求められるスキル
営業で成果を出すには、「コミュニケーション能力が高い人」というイメージだけでは不十分です。実際には、顧客の課題を見抜く力、提案を構築する力、話をわかりやすく伝える力、そして自分自身をマネジメントする力など、複数のスキルが複合的に求められます。ここでは、営業職として成長するために欠かせない5つのスキルを詳しく解説します。
1. ヒアリング力|相手の「本音」を引き出す力
営業におけるヒアリングとは、単に話を聞くことではありません。相手の言葉の裏にある課題や感情をくみ取る“聴く力”が求められます。
たとえば、顧客が「コストが合わなくて…」と言ったとき、その真意は価格ではなく「効果が見えづらい」「上司の承認が得にくい」といった別の不安にあるかもしれません。そうした表面化していない“真のニーズ”を探り出す質問力と観察力がヒアリング力の本質です。
ヒアリング力を高める具体策
- 「5W1H」で掘り下げる質問を用意する
- 相手の言葉をオウム返しして深掘りする
- 相手のペースに合わせ、沈黙を恐れない
2. 課題解決力|仮説から最適解を導く思考力
顧客のニーズを把握したうえで、「どうすればこの人の課題を解決できるのか?」を考え、自社商材で具体的な解決策を提案する力が営業には欠かせません。
このとき重要なのは、“商品を売り込む”のではなく“課題に対して提案する”という姿勢です。提案内容は必ずしも一つではありません。いくつかの仮説を立て、その中から最も顧客にとって効果的で現実的な提案を導き出すことが求められます。
課題解決力を鍛えるコツ
- 競合事例や他社活用事例をストックする
- 「AができないならBではどうか?」と代替案を常に準備する
- ロジックツリーや因果関係で課題を分解してみる
3. 説明・プレゼン能力|“わかりやすく”が信頼を生む
どれだけ優れた商品でも、その価値が相手に伝わらなければ受注にはつながりません。そこで必要なのが、「相手に合わせて伝え方を調整する力」、すなわちプレゼンテーション能力です。
たとえば、経営者にはROI(投資対効果)や将来性を、現場担当者には具体的な機能や導入後の運用イメージを重視して伝える必要があります。さらに、専門用語をかみ砕く、ストーリーで語る、事例を使うなどの工夫によって、提案の理解度と説得力を大きく高められます。
プレゼン力向上のポイント
- ペルソナごとにスライドの構成や話し方を変える
- 伝えたいことを1枚の図解で示す習慣をつける
- 相手に「なるほど」と言わせる比喩や例え話を準備する
4. 論理的思考と構成力|話の順序で信頼が決まる
営業のトークや資料には“順序”と“構成”があります。いきなり商品の説明に入ったり、論点が飛び飛びになっていたりすると、相手は混乱し、信頼感を持てません。
論理的に話す営業パーソンは、それだけで「頭が良い」「信頼できる」と評価されやすくなります。具体的には、「結論→理由→事例」や「問題→原因→解決策」などの型を意識することが重要です。
論理構成力を鍛える習慣
- 話す前に3つのポイントに要約してメモを取る
- 自分の提案をPREP法で整理してみる
- 商談の流れを“ストーリーボード”として設計する
5. ストレス耐性・自己管理能力|自分自身のマネジメント
営業は、断られることが多く、常に目標達成を求められる仕事です。そのため、失敗やプレッシャーに負けず、粘り強く行動を継続できるメンタルの強さが必要です。
また、営業活動は自由度が高い反面、自分でスケジュールを立て、行動量を管理する力がなければ成果につながりません。いわば、「自分の上司は自分」という意識で、PDCA(計画→実行→検証→改善)を自律的に回す力が求められます。
自己管理の具体例
- 1日単位でアポ・タスクを可視化して管理する
- 週ごとに振り返りと改善を習慣化する
- ネガティブな感情を引きずらず、切り替える“儀式”を持つ(例:歩く、一息つく、デスク整理)
未経験でも営業で活躍できる理由
「営業は経験がないと厳しい」「口がうまくないと無理」と思われがちですが、実際は未経験者が成果を出しやすい職種のひとつです。その理由は、営業が属人的な能力に頼るのではなく“型”と“姿勢”で勝負できる仕事だからです。以下にその背景を詳しく解説します。
1. 営業は“型”を覚えれば伸びる職種
営業には、「アイスブレイク → ヒアリング → 提案 → クロージング」という一定の商談の流れ=型があります。このフレームに従って動けば、成果が出やすいのが営業職の大きな特徴です。
さらに、トークスクリプトや提案書テンプレート、ロジック構成(PREP法・SDS法など)も多く存在しており、属人的な才能に頼らず、習得可能なノウハウが充実しています。
実例
- コールセンター出身者が法人営業に転身し、1年目で社内トップ成績を達成
- 飲食店アルバイト経験しかなかった人が、営業の「型」を覚えて3ヶ月目で初受注
このように、営業に必要なスキルは“再現性”が高いため、未経験でも努力次第で一気に伸びる土壌があります。
2. 研修・ロープレが整っている企業が多い
営業職は人材育成が組織の成果に直結するため、新人育成の仕組みが他職種に比べて整っているケースが多いのも特徴です。
多くの企業では以下のようなサポート体制を導入しています。
- 座学研修(営業の基礎・商品知識・業界理解)
- OJT(先輩同行による実地指導)
- ロールプレイング(想定商談を模擬体験)
- フィードバック面談(課題の言語化と改善支援)
特にロープレや営業同行を繰り返すことで“実践で通用する営業力”が自然と身につく環境が多く、経験が浅くても自信を持って現場に出られるようになります。
3. “人柄”や“誠実さ”が武器になる
営業において信頼関係は最も重要な資産です。そして、その信頼は「知識の多さ」や「話術の巧みさ」よりも“この人に任せても大丈夫”という安心感から生まれます。
つまり、以下のような姿勢や行動が信頼を勝ち取る大きな要素になります。
- わからないことを素直に「確認します」と言える
- 小さな約束でも必ず守る
- 顧客の立場に立って考える
このように、誠実さや真摯な姿勢そのものが、営業力そのものになるのです。
実際の現場でよく聞く声
- 「話がうまい営業より、正直に“まだ勉強中ですが…”と答えてくれる人の方が信頼できる」
- 「しっかり連絡をくれる人から買いたい。商品より人で選ぶ」
営業の現場では“人柄”こそが最大の競争優位性になる場面が少なくありません。
4. デジタルツールの活用で効率的に成長できる
現代の営業は、昔ながらの“足で稼ぐ”スタイルから大きく進化しています。営業支援ツール(SFA)やCRM、データ分析、AI営業支援などの普及により、属人的な経験や勘に頼らずとも成果を出せる仕組みが整いつつあります。
代表的な営業支援ツール
- SFA(Salesforce、Sansan、Hubspotなど)
→ 顧客とのやり取りや進捗を一元管理でき、対応漏れ防止にも有効 - CRM(カスタマー管理ツール)
→ 顧客情報を蓄積・分析し、適切なタイミングでアプローチ可能 - チャット・オンライン商談(Zoom、Slack、Chatworkなど)
→ 時間効率・商談数が飛躍的に向上
これらを活用すれば、経験が浅くても正確な提案・管理・分析が可能になり、スピード感ある成長が期待できます。
SFA(営業支援システム)とは?SFAの基礎知識と活用方法をご紹介 | GSLコラム | NTTデータ グローバルソリューションズ
CRMとは?営業での活用例や機能、おすすめツールをわかりやすく解説
未経験者が評価されやすいポイント
面接や入社後の評価の場面でも、営業職では以下のような点が高く評価される傾向にあります。
| 評価ポイント | 内容 |
|---|---|
| 行動力 | 「とにかくやってみる」素直さや実行力 |
| 向上心 | フィードバックを受け止めて改善する姿勢 |
| 傾聴力 | 相手の話を遮らず、しっかり聞ける力 |
| 継続力 | すぐにあきらめない粘り強さ |
| 清潔感・礼儀正しさ | 第一印象が信頼につながる |
こうした姿勢や素質がある方は、営業未経験であってもむしろ“育てがいがある”と前向きに評価されることも多いのです。
営業は“努力が成果になる”仕事
営業は、経験よりも「姿勢」と「学び続ける力」が活かされる職種です。
未経験でも
- 正しい“型”を学び、
- 誠実に行動し、
- デジタルツールを使いこなせば、
短期間で着実に成果を出すことが可能です。
「話すのが得意じゃない」「営業っぽくない」と思っている方ほど、相手目線に立った丁寧な営業ができる可能性もあります。自分らしいスタイルを大切にしながら、営業という仕事の魅力にぜひ触れてみてください。
営業職のやりがいと大変さ
営業は「数字で評価される厳しい職種」というイメージが先行しがちですが、やりがいと成長実感の多い職業でもあります。ここでは、営業の魅力と難しさを両面から解説し、現実的な視点で捉え直してみましょう。
【やりがい】自分の成果が目に見える仕事
1. 自分の成果が数字で見える
営業の仕事は、契約件数・売上・受注率など、努力が成果として数値化されます。これは他職種と比べても明確で、「どれだけ頑張ったか」が具体的な数字で返ってくるため、手応えや成長を実感しやすいのが魅力です。
- 「昨日の提案が契約に繋がった」
- 「月末に数字が一気に伸びた」
など、日々の行動がダイレクトに結果に結びつく感覚は、営業職ならではの醍醐味です。
2. お客様からの感謝を直接受け取れる
営業は顧客と最前線で向き合う仕事であるため、「○○さんのおかげで助かりました」「今後もお願いしたいです」といった感謝の言葉を直接もらえる機会が多いです。
金額以上に「人として信頼された」実感があると、仕事へのモチベーションはさらに高まります。
3. 提案が採用されたときの達成感
自分のアイデアや提案が採用され、顧客の課題が解決された瞬間には、プロとしての喜びと充実感があります。
特に、課題の本質を見抜き、複数の選択肢の中から「あなたの提案を選びます」と言われたときには、努力が報われた実感が得られます。
4. キャリアアップの選択肢が多い
営業で成果を出せば、昇進・昇格・他部署へのキャリアチェンジなど、キャリアパスが広がります。
- チームリーダーやマネージャー
- 商品企画やマーケティング職
- 新規事業開発や経営企画
といった道に進む人も多く、営業職はビジネスの基礎体力を養える“登竜門”としても位置づけられています。
営業は「自分の価値」が評価される仕事
他人ではなく、「自分の工夫や努力」によって数字が動く営業職は、個人の価値を試せる場であり、自己肯定感を高めやすい環境とも言えます。
【大変さ】プレッシャーと試行錯誤の連続
1. ノルマやKPIに追われるプレッシャー
営業職では、ほとんどの会社で売上目標やKPI(行動指標)が設定されています。
- 月○件の商談設定
- 週○件の架電
- 月間○万円の売上
といった数値が定量的に管理されるため、プレッシャーを感じることも多いのが実情です。特に結果が出ない時期には、自己否定に陥りやすく、精神的なストレスを抱えることもあります。
2. クレーム対応や“断られる”ストレス
営業は、契約だけでなくクレーム対応や失注の場面にも立ち会う役割を担います。
- 契約後の認識齟齬
- 商品不具合による顧客の不満
- 提案が通らずに断られる経験
など、時には厳しい言葉を受ける場面もあります。「人に拒絶されることに慣れる」という意味でも、心のタフさが求められる仕事です。
3. 常に学び続ける必要がある業種
営業は、ただ商品を覚えれば良いわけではありません。競合の動向、業界トレンド、商談スキル、ITツール、法令対応など、学び続ける姿勢が必須です。
「知識をアップデートしない=相手にとって価値がない人」になるリスクがあるため、常に自分を磨く必要があります。変化の激しい市場環境の中で“昨日までの成功が、明日の通用しない”ということも珍しくありません。
大変さを乗り越える工夫
営業の厳しさを乗り越えるためには、個人のメンタル管理だけでなく、組織や仕組みの工夫がカギになります。
チーム制の導入
成果主義でありながら、チーム単位でKPIを追う体制にすることで、孤立を防ぎ、助け合いの文化が根づきます。
1on1面談・フィードバック
定期的な面談で、悩みを吐き出せる場を作ることで、ストレスを溜め込まずに前向きな姿勢を保てるようになります。
マインドセットの強化
- 「断られるのは商品ではなくタイミング」
- 「相手の問題が明確でない=提案のチャンス」
といった前向きな解釈を持つことで、営業を“ゲームのように楽しめる人”は成果も出やすくなります。
営業のリアルは“ハードだが報われる”仕事
営業は、確かにプレッシャーも失敗も多い職種です。ですがそれ以上に、
- 顧客からの信頼
- 成果が数字で見える充実感
- キャリアの可能性
- 自分の成長実感
といったかけがえのない報酬を得られる仕事でもあります。
「大変そうだから」と敬遠するのではなく、やりがいの本質に目を向けて、長く続ける工夫を見出すことが、営業職の魅力を最大限に引き出すカギとなるでしょう。。
営業に向いている人の特徴
以営業職は、誰もが一定のスキルと努力で成果を出せる職種ですが、特に以下のような性質や行動特性を持っている人は、より早く・大きく活躍しやすい傾向があります。
1. 人と話すのが好き、興味を持てる
営業の基本は「会話」です。人と話すこと自体に抵抗がなく、相手の話を聞くことを楽しめる人は、顧客との関係構築がスムーズに進みます。
また、「この人はどんな人だろう?」「どんなことで困っているのかな?」といった好奇心や関心を持てるタイプは、自然と相手のニーズに寄り添った提案ができるようになります。
雑談から本音を引き出す力も、営業における大きな武器です。
2. 相手の立場で考えられる
顧客の悩みや要望は千差万別です。相手の立場に立ち、「この人は何を大事にしているのか」「どこに引っかかっているのか」を想像して行動できる共感力は、営業において非常に重要です。
商品を売り込むのではなく“相手にとっての最適解”を一緒に探すスタンスが信頼につながり、長期的な関係性の構築にも寄与します。
3. 失敗を恐れずに行動できる
営業活動では、うまくいかないことの方が多いのが現実です。断られること、無視されること、思い通りにいかないことは日常茶飯事。そんな中でも、失敗を過度に恐れず、一歩を踏み出せる行動力が大切です。
「断られたら改善のヒントをもらえた」とポジティブに捉え、次に活かす切り替えの早さと前向きさが成果を伸ばすポイントです。
4. 目標があると頑張れるタイプ
営業職は、目標(ノルマやKPI)が明確に設定されることが多く、それがモチベーションに直結する人には非常に向いています。「数字を追うのが楽しい」「昨日の自分を超えたい」といった自分との勝負を楽しめるタイプは、継続的な成果を出しやすい傾向があります。
逆に、目標がないと集中力を保ちにくいタイプにとっては、営業は非常に分かりやすく、自己管理がしやすい職種でもあります。
5. 地道な努力をコツコツ継続できる
成果が見えるまでには時間がかかるケースも多い営業職において、日々のルーティンを丁寧に積み重ねられる人は強いです。
- 顧客情報の整理
- 提案資料のブラッシュアップ
- 定期的なフォローアップ
など、派手なスキルよりも、地味な“積み上げ”が成果を生むことも多くあります。短期間の結果に一喜一憂せず、PDCAを回し続けられる姿勢が評価されやすい環境です。
向いていない可能性がある人の傾向
反対に、営業職で苦労しやすい傾向があるのは、以下のようなタイプです。
- 数字に強い抵抗感がある人(目標や進捗管理が苦手)
- 変化や新しいことが嫌いな人(柔軟な対応力が求められる)
- 指示待ちで自発的に動けない人(自己判断や提案が必要)
ただし、これらも環境や研修、本人の意識次第で改善可能な部分です。最初から「向いていない」と決めつけず、少しずつ適応していくことも大切です。
営業は“人間力”と“行動力”の掛け算
営業に向いているかどうかは、「話し方」や「外向性」だけでは決まりません。
- 誰かのために頑張れる
- 試行錯誤を楽しめる
- 成長する意欲がある
こうした“姿勢”や“考え方”の部分こそが、営業に向いているかどうかを決定づける要素です。
未経験であっても、上記の特徴にひとつでも当てはまる人は、営業という仕事の中で自分らしいスタイルを築いていくことができるはずです。
まとめ|営業は“誰かの課題を解決する仕事”
営業という仕事は、一見すると「商品やサービスを売る」活動に思われがちですが、その本質はもっと深いところにあります。営業とは、顧客の悩みや課題を理解し、それに対して最適な解決策を提案する“問題解決型の仕事”なのです。
優れた営業パーソンは、単に商材を売るのではなく、「この人に相談すれば何とかしてくれる」「一緒に課題を乗り越えてくれるパートナーだ」と思ってもらえる存在です。
たとえば、同じ商品でも、提案の仕方や話の順序、相手への共感の姿勢によって、その受け取られ方は大きく変わります。価格やスペックよりも、「この営業担当者の言うことなら信じてみよう」と思わせる信頼感こそが、成約を左右する決定打となるのです。
営業に必要なのは、話し上手であること以上に、「聴く力」や「相手視点で考える力」です。そして、課題を見極める観察眼、わかりやすく説明する力、地道に行動を続ける粘り強さなど、さまざまなスキルが複合的に問われます。
もちろん簡単な仕事ではありません。数字に追われたり、断られたり、悩むことも多いでしょう。それでも、自分の提案で誰かのビジネスが良い方向に進んだとき、感謝の言葉をもらったとき、それは何にも代えがたい達成感ややりがいになります。
未経験からでも活躍できる環境が整っている今こそ、営業の世界に一歩を踏み出すチャンスです。「人の役に立つ喜び」と「自分自身の成長」を感じられる営業職は、あなたのキャリアにとって確かな糧になるはずです。
